どうも、たいちです。
「毎日残業ばかり続いて、心も身体も疲れ果てた」そんなあなたにいいお知らせです。
最近よくニュースで聞く「働き方改革」は、あなたの残業時間を短くし、朝の通勤ラッシュを解消してくれるかもしれません。
日本人が今までずっとやってきた働き方を、ガラッと変えてしまえ!というのが「働き方改革」なのです。
- 夜遅い時間まで働くのをやめて、みんなが早く帰れるようにしよう。
- 「毎日決まった時間に会社へ行って」働かなくてもいいじゃないか。
家で仕事をする、会社へ行く時間を自分で決められる、という働き方も認めよう。
今回は以下について、わかりやすく説明します。
- なぜ急に「働き方改革」が真剣に議論されているのか?
- 本当に日本人の働き方を変えられるのか?
私も日本での仕事に疲れ果ててカナダへ逃げてきたので、この議論にはとても注目しています。
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「働き方改革」が議論されているのは、実は日本の借金のせい!
「働き方改革」を成功させないと、日本が無くなっちゃう?
「働き方改革」を話し合わなければいけない理由を一言でいえば、
『「働き方改革」を成功させないと、日本という国が倒産するかもしれないから。』です。
どういことでしょうか?
日本という国は、
- 国に住んでいる人や会社からお金を集めて、
- そのお金を、国を良くするため(例えば道路を作ったり、病気になった人にお金をあげること)に使います。
でも日本では、だいぶ前から、集めたお金だけでは足りないので、他の人からお金を借りてきて、そのお金も使っています。
そして、その借金を、いつかは全部返そうと思ってがんばっています。
でも、借金がどんどん増え続けていて、こんなに借りてたらもう返せないんじゃないか?とさえ言われてしまっています。
そんな中、今後は「集めるお金」が減って、「使うお金」が増えていくので、ますますお金が足りなくなっていきそうなのです。
なぜでしょう?
働く人が減って、日本が集められるお金も減ってしまう!
日本という国がお金を集めるのは、日本にある会社や、その会社で働いている人たちからです。
でも、これから先は、会社で働く人の人数が減っていきそうなのです。
どうしてでしょう?
日本では、学校を卒業してから会社で働きはじめて、65歳とか決められた年齢まで会社で働くのが普通です。
逆に言えば、まだ学校へ行っている子供と、もう会社を退職した高齢者は、どちらも会社で働いていません。
最近の日本では、子供の人数が減って、高齢者の人数が増えています。
これからは、今まで会社で働いていた人たちが、年をとってどんどん会社を退職してしまいます。
しかも、これから学校を卒業して、会社で働く人がだんだん減っていってしまうのです。
これから先は、会社で働く人の人数が減っていくので、日本が集められるお金も減っていってしまうのです。
逆に、日本が使うお金は増えていく!?
高齢者は会社を退職した後に、日本という国から「毎月いくら」というふうにお金をもらっています。
なぜなら、この人たちがまだ会社で働いていたときに、「高齢者になったときに返す」という約束で、給料の一部を国が預かっていたからです。
これによって、会社を退職して給料がもらえなくなった後も、高齢者たちが「お金が無くて生活できない」となってしまうことを防ぐことができます。
先ほど、最近の日本では、高齢者の人数が増えていると言いました。
このため、日本という国が、高齢者たちに渡すお金がだんだんと増えていくのです。
つまり、日本が使うお金はこれから増えていきます。
「集めるお金」が減って、「使うお金」が増えると?
「集めるお金」が減って、「使うお金」が増えていくと、日本という国のお金がすぐに足りなくなってしまいます。
そこで日本は、他の人からお金を借りてきて、そのお金も使っています。
でも、借りたお金がどんどん増え続けていくので、こんなに借りてたらもう返せないんじゃないか?と言われてしまっています。
そこで、ついに「働き方改革」の話が登場します。
「働き方改革」が日本を救う?
「働き方改革」は日本の「集めるお金」を増やすためにある!
「働き方改革」は、日本の「集めるお金」を増やすための方法です。
「集めるお金」を増やすためには、どのような方法が考えられるでしょうか?
先ほど言ったように、日本がお金を集めるのは、主に次の人たちからです。
- 日本にある会社(会社の生み出した利益の一部を集める)
- その会社で働いている人たち(会社からもらった給料の一部を集める)
つまり、具体的には以下のことができれば、「集めるお金」は増えるはずです。
- 働く人の人数を増やす
- 会社が生み出す利益を増やす
そのために必要とされる「働き方改革」は、次の2つについて話し合われています。
- 夜遅い時間まで働くのをやめて、みんなが早く帰れるようにする。
- 「毎日決まった時間に会社へ行って働く」という働き方だけでなく、例えば、家にいながら仕事をする、会社へ行く時間を自分で決められるなど、いろいろな働き方を増やす。
それぞれが、どのように対応するのか見ていきましょう。
働く人の人数を増やすために
今のところ、日本で働く人が、会社からお願いされるのは次のことです。
- 「やらなきゃいけない仕事はたくさんあるので、夜遅い時間までがんばって働いてね。」
- 「毎日決まった時間に、ちゃんと会社へ来て働いてね。」
でも、こんな働き方ができるのは、普通はお父さんだけです。
お父さんだけじゃなく、お母さんまでこんな働き方をしていたら、子供は家に一人ぼっちです。
介護が必要な高齢者が家にいる場合も、食事や家の掃除はどうなるのでしょう?
そこで、今の働き方を変えていく必要があります。
- みんなが早く帰れるようにすれば、夜ご飯を一緒に食べられる。
- 家にいながら仕事ができたり、会社へ行く時間を短くすれば、家にいたい時間はちゃんと家にいることができます。
こうすれば、お父さんとお母さんの両方が働けそうですよね。
さらに、会社を退職した高齢者のうち、まだ元気なので働きたいと思っている人も、働き続けることができるかもしれません。
働きたいと思う人が、みんな働けるような会社の仕組みが必要なのです。
会社の利益を増やすために
毎日毎日、夜遅い時間まで働いていたら、誰だって疲れてしまいます。
本当なら5分で終わるような仕事でも、疲れていたら30分かかってしまうことだってあります。
そうすると、ただ夜遅い時間まで会社に「いるだけ」になってしまって、効率的に仕事ができません。
(それに、毎朝のように満員電車に揺られて、帰りも夜遅くまで働いていたら、心や体の病気になってしまうかもしれません。)
そこで、必要じゃない仕事をやらなくて済むようにしたり、仕事のやり方を工夫したりして、みんなが早く帰れるようにできれば、次の日もきっと元気に仕事ができるはずです。
そのためには、
- 同じ量の仕事をするのに、早く帰れるような工夫をした人が偉い!
- 早く帰れない人がいるということは、何かもっと工夫できるのではないか? という風に会社の考え方を変えていく必要があります。
こうしていくことで、みんなが同じ時間だけ仕事をしても、仕事を上手にこなすことができるようになり、会社の利益も増えていくことが期待されているのです。
働き方を変えることで、「集めるお金」が増える
というわけで、具体的に次の2つの方法のために、働き方をどう変えるべきかを見てきました。
- 働く人の人数を増やす
- 会社が生み出す利益を増やす
そして、これらのことができれば、日本が「集めるお金」は増えることが期待されています。
日本という国の「使うお金」が増えていく中で、「集めるお金」を減らさずに、むしろ増やしていくことは、日本が倒産しないようにするために必ず達成しなければいけないことなのです。
まとめ
ここまで、できる限りわかりやすい言葉を使って説明してきたつもりですが、いかがでしたでしょうか?
通常であれば、以下のように説明されるかもしれません。
↓
少子高齢化が進めば、日本の財政は厳しくなっていきます。
働き手の数が減ることで税収等の収入が減る一方で、高齢者の医療費や年金の支出は増加していくことが主な理由です。
「働き方改革」は、この状況を以下の通り変えるために必須と考えられています。
- 少子化・高齢化により働き手の人数が減っていくことに対応するため。つまり、現在は正社員・残業できることを前提とした働き方が中心なので、子供を持つ女性や、介護者を持つ家庭は働きにくい。長時間勤務を無くすことや、いろいろな働き方(在宅勤務や時短勤務)を導入して、様々な人に働き手になってもらうこと。
- 生産性の向上のため、日本人に染み付いている長時間労働のクセを無くすこと。疲れれば仕事の効率が落ちるだけでなく、心身の病気や過労死の可能性も出てくる。また、同じ時間でいかに成果を生み出したかではなく、長時間会社にいることが評価されるようでは効率を上げようというモチベーションも上がらない。
↓
こういった説明では、わかったような?わからないような?で、結局のところ腹に落ちずに終わってしまいますよね。
そこで、自分の理解を少しでもわかりやすく伝えられたらと思い、この記事を書きました。
(細かい話は省略していたりするので、厳密な説明とは違う箇所もあります。わかりやすく説明するための対応ですので、ご了承ください。)
というわけで…
「働き方改革」は、日本人の働き方を根本から見直し、変えていくことです。
議論の出発点は、働く人の幸せを考えるというよりは、どちらかと言うと、日本として改革を成功させないと今後の国が成り立っていかないという危機感からです。
そのため、過労死問題は今までもずーっと日本にあったのに、電通の過労死自殺をきっかけに、なぜか急に真剣に議論が行われ出したようにも見えるのです。
サラリーマンが、会社や仕事のために死んでしまったり、病気になったりして人生を台無しにしてしまうことが無いような、まともな国に変わる最後のチャンスかもしれません。
今回は国の存亡がかかった議論だということです。
そう考えると、どうせ「働き方改革」とか言ってるけど、これまでと大して変わらないんでしょ?
という疑念が少しは減ったのではないでしょうか?
せっかくなので、「働き方改革」が我々サラリーマンにとっても、最高にいい結果になるといいですね。
ちなみに…
カナダでは、こちらの記事に書いたように、長時間労働よりもワークライフバランスを重視した働き方を、当然の前提としているように見えます。
カナダの郵便局(canada post)が再配達をしない理由
男性が奥さんの仕事の都合に合わせて仕事を午前中で切り上げるのも日常の風景だし、仕事は定時に終わらせてその後の時間も家族や趣味のために使うのが当たり前です。
世界では、こちらの方が普通なのかもしれませんね。
日本も「KAROSHI(過労死)」で有名だったのが過去のことになり、普通の国になれることを願います。
それでは。
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