どうも、たいちです。
あなたは人に仕事を頼むとき、どのように作業の指示を出していますか?
相手が近くにいる場合は口頭で、それ以外の場合は電話やメールで指示を出していませんか?
その際、自分の頭の中で作業イメージを思い浮かべながら、そのイメージを相手に伝えるはずです。
相手はメモを取りつつ話を聞き、相手の頭の中にもイメージが浮かんできたところで、あなたは「あとは実際に作業しながら、迷ったら質問してよ」と言って指示を終えます。
指示を出している最中に、ふと「そういえば先月にも誰かに同じ内容を話したな…」と思い出したかもしれませんね。
いちいち作業手順を思い出しながら口頭で指示を出す場合、例えば以下のような問題があります。
- 必要な指示が網羅的でない結果、作業結果の品質がバラバラ
- 依頼者による指示が明確でない部分を、作業者は悩みながら実施するため効率が悪い
- 作業のノウハウやコツが蓄積されず、いつまでも属人的になってしまう
- 毎回の指示出し自体に手間と時間がかかり、指示を出すのが面倒
これらを一気に解決する方法は、「作業手順書を作成し、人に仕事を頼む際はこの手順書を使って指示を出す」ことです。
もちろん作業者は、この手順書に従って作業を実施します。
とはいえ、あなたは「作業手順書があった方が良いのは当然わかってる。でも手順書を作る手間をかけるより、目の前の仕事を進めたい」と考えているのではないでしょうか?
その気持ちは痛いほどよく分かります。自分もずっとそう思っていましたから。
でも今は「もっと早く作業手順書を作っていれば無駄な時間を浪費せずに済んだのに…」という思いです。
そこで今回は、作業手順書を利用することの強力なメリットを改めて確認したうえで、作業手順書の効率的な作り方について詳しく見ていきましょう。
作業手順書のメリット
作業手順書は、特に「定期的に繰り返し発生する単純作業」において威力を発揮します。
作業手順書を使えば、こんなに多くのメリットがあります。
作業を実施する側のメリット
- 依頼者からの指示漏れによるミスが減る
- 依頼者からの曖昧な伝え方にょる迷いが減り、作業のスピードがアップ
- 作業のコツや過去にミスした留意点も記載することで、作業結果の品質確保
- 手順書のブラッシュアップを続けることで、ノウハウを見える化し蓄積できる
- 作業手順書が先輩の代わりに作業者の指導をしてくれる
作業を依頼する側のメリット
- 手順書に従えば誰が何度やっても同じ結果になるため、上長のチェックが楽に&修正による手戻りの時間を削減
- 手順だけでなく、作業に必要な資料を明確化しておくことで、作業に着手する前に資料の準備がしやすい&入手漏れに事前に気づける
- 作業量のボリューム感がつかめるため、作業を依頼する場合、事前に人員の手配がしやすい&業務量の人別・時期的な偏りを調整できる
- 指示出しを毎回1から行う手間が減り、依頼を早めに対応しやすくなる
自分自身が作業する際にも手順書は有効
持ち物リストをイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが
- 毎回ゼロから思い出しながら作業する無駄を省くことで、スピードアップ&ストレス減る
- 仕事の大半を占める単純作業を省力化できれば、他の難しい作業やアイデアを生み出すことに時間が割ける
- 社内で部署を異動する際に、後任への引き継ぎが楽になる作(業内容の引き継ぎは作業手順書を渡せば済む)
作業手順書の効率的な作り方
試しに手順書を作ってみようかな…という気持ちになってきましたか?
作業手順書を効率的に作る方法は、大きく分けて2つのパターンです。
1. 仕事を頼む際に、口頭で伝える代わりに手順書を作ってしまう
どうせ依頼する必要があるなら、依頼するついでに手順書を作ってしまいましょう。
口頭で指示を出すつもりの内容を、文書として書き出すだけなので、指示出しの必要があったときに指示書を作れば大きな負担にはなりません。
2. 自分で作業をする際に手順をメモしておく
自分で作業をする機会があるなら、作業した手順をメモしていくだけです。
手順を思い出しながら手順書を作成するのではなく、実際に自分で実施した内容を記載していくだけなので、追加の負担がより少なく、かつより精度の高い内容になります。
どちらの方法をとるにしても、「人への依頼」や「自分の作業」のついでに手順書を作成すれば、イチから手順書を作る手間と比べたら負担は少ないですよね。
また、最初は手順を並べたメモ書きで構いません。その後に手順書としてブラッシュアップしていけばいいんです。
上記2つのうち、おススメはNo.2ですが、自分で作業を実施する機会を設ける必要がある点はハードルが高めかも…。
ただ、本気で仕組み作りに取り組むなら、自分自身である程度時間をかけてでも作り込む価値はあります。
その後の時間の削減を考えれば、きっと元は取れます!
手順書を作成する際のコツ
基本方針
実際に手順書を作成する際の基本方針を紹介します。
- 手順書を使う相手の立場に立って、相手が作業をする場面や気持ちをイメージして、隣で教えてあげるつもりで手順書を作成
- 最初から完璧な手順書を目指す必要はない!
→作業者にとって、何の手がかりも無い状況よりは、簡単な手順書があるだけでも確実に良い
→特に初めて行う作業は、どこから手を付けたらいいかわからない - 手順書を一度作ったら、その後は常にブラッシュアップかける
→作業者には手順書と一緒に実施してもらう
→質問があったり想定通りの結果にならなかった箇所について、作業者自身にメンテナンスしてもらう
その他のコツ
自分が手順書を作成する際に気をつけている、その他の細かい点も紹介しておきます。
- 作業の一般的な所要時間(目標時間)を手順書に記載&実績時間を報告させる
→作業者にとって目標時間が目安になるし、人に作業を依頼する際にも時間を有効に使いやすい - 作業者として想定する年次や職階も決めておくことで、手順書の指示の細かさも違ってくる
→ただ、最終的には作業的な部分は全て1年目のスタッフでも作業できるように作るのが理想 - 作業のステップごとに必要な資料を明記しておく&社内の共有サーバーがある場合はフォルダへリンクを貼っておく
→作業者が資料のピックアップ作業しやすい - 社内で資料のフォームが既に用意されている場合、最新バージョンの探し方を手順として記載&似たフォームが複数種類あるものはどれを使うかの判断の仕方も手順へ
→資料探しまで依頼できれば依頼者の負担が減る! - 前回の資料を更新する作業なら、必ず変更箇所を明示してもらうべき!
→ワードなら「変更履歴」機能を設定するよう指示&エクセルでも変更箇所の明示方法を決めておく(色付けとか) - 指示する際に(都度)、依頼者が依頼書を更新する必要がある場合は、更新すべき箇所を明確化(例えば、更新箇所は赤字&下線など)
→作業者の指示出し作業自体を単純作業にする - 作成したファイル名の更新の仕方も指示(「日付の記載ルール」や「【部長チェック前】などのステータス」など)
→ファイル名の統一は地味だが、バージョン管理等の観点から重要
「とりあえず作業してもらって、後で指示者が細かい修正をすればいい」という考えは捨てることが重要です。
効率化は「細かい無駄を地道に省いていく作業の積み重ね」と考えましょう!
【参考】Wordで「変更履歴」を付け忘れた場合
ワードで「変更履歴をつけ忘れちゃいまいした!」ということ、ありますよね。
そんな時は、下記の「比較」機能を使えば、更新前のデータと更新後のデータを比べて変更履歴のかたちで表示できます。
MicrosoftのHP:【比較】オプションを使用して文書の相違点を比較します。
まとめ
仕事の効率化を考えるとき、「今日いかに早く帰るか?」だけでなく、もう少し長期的な時間軸で考える必要があります。
例えば、将来にわたって毎月2時間の残業を減らせるなら、今日3時間の残業をして手順書を作る価値はあります。
私の場合は「同じような指示を何度も繰り返し出すのは、面倒だし時間がもったいない!」という思いがキッカケです。
試しに、毎月繰り返し発生する単純作業の手順書を実際に作成してみたところ、まずは自分の指示出しの時間が格段に減りました。
さらに結果として、作業結果のクオリティも上がり、手直しにかかる時間が減る効果まで出ました。
作業手順書は、特に「毎月繰り返し発生する単純作業」において威力を発揮します。
ぜひ、頻度の高い作業から手順書の作成を始めてみてください!
長期的に見て、特に効率化の効果が高い手法です。
それでは。
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